インフラの先を想う(その2:土木)

今回は、国内土木工事の動向を考えてみたいと思います。

イメージとして、土木工事が減ってきているように感じております。
この減っていると感じてしまう数値的根拠はどこから来ているのか、またどれくらいの時間的尺度でのイメージなのかを考えてみたいと思います。

本当に工事は減っているのか?
これからどうなるのか?
今後何が求められるのか?

など考えていきたいと思います。


1.土木建設投資
1)長期的視点

 長期的な視点(特にバブル期との比較)では減少しています。
 これが、工事が昔より減っているイメージが定着している要因と思われます。
 では、どの程度減少しているのか数値で見ていきたいと思います。

引用)国土交通省平成27年度建設投資見込み
   参考資料昭和35年からの建設投資の推移(土木)より

 過去最高:380,273億円(平成7年度)
 現在数値:225,300億円(平成27年度見通し)

平成7年と比較して40%減少していることから、この今後回復は見込めないイメージとなっていることと思います。

しかし、企業の経済活動において、この20年単位の数値よりも、前後5年の10年スパンの方が現実的かと考えます。

そのため、過去5年間の数値を見てみます。

2)短期的視点

   平成23年度  208,122億円
   平成24年度  217,789億円
   平成25年度  242,200億円
   平成26年度  254,400億円
   平成27年度  225,300億円

   平均       229,562億円
   
となりますので、平成27年度見込みにおいても平均値に近く、平成23年度と比較しても8%の増加となっております。

このスケールでみると、±10%程度変動があったとしても、激しい変動はないように思えます。


2.今後何が求められるか

では、このような予測から今後何が求められるかを考えていきたいと思います。

現在の国内土木工事において、数量はあまり変わっていない状況ですが、近年対応が困難なほど忙しい状況です。

これは、工事数の急増というより、人員不足によるところが大きいと考えます。

 出典)国土技術政策総合研究所 平成27年12月
建設業の約3割が55歳以上となっており、今後人員の増加は見込めず急激な人員減が予想されます。

また、この建設業に関わる人材のうち、機械土工・舗装関連・現場打ちコンクリート関連が40%を占めるため、よりコンクリート関連ではより人材不足が感じられます。

 出典)国土技術政策総合研究所 平成27年12月


これらのことから、土木工事において、機械化による省人化施工が求められると予想されます。

コンクリート関連での機械で当社が扱っている商品での開発の方向の一例として、法面での吹付コンクリート施工の省人化を進めております。

・法面でのコンクリートホース捌きの機械化による作業人員負担減
・製造装置における輸送と製造の一体化

当社では、米国でガンコンクリートと呼ばれる吹付コンクリートでの製造装置をベースに、国内仕様への検討、コンクリート打設機の斜面走行に向けた開発など検討しております。

これからも、国内課題を考え、社会に対して有効となる装置へとなるように、他の工事領域へも検討を重ね、メーカーと協力して開発をすすめております。

社会へ少しでも貢献できるよう、様々な検討を重ねてまいりたいと思っております。、






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