『気づきの種』 その2:第4次産業革命

サイバー空間の急激な発展による新しい社会の到来を「第4次産業革命」と称し、各国が新時代を先導するための科学技術イノベーション政策の競争が繰り広げられています。

例えばドイツですが、2011年に「インダストリー4.0」を発表し、サイバーフィジカルシステム(CPS)を活用して、次世代のものづくり技術で世界をリードするという、野心的な構想を打ち出しております。

サイバーフィジカルシステムとは、実世界(Physical System)とサイバー空間(Cyber System)との強力な融合のことです。
装置などに組み込まれている実世界のセンサーネットワークの膨大な情報を、サイバー空間の強力なコンピューティング能力で、その観測データを処理するシステムです。
「情報融合炉」とも呼ばれております。

生産装置などのセンサー情報をインターネット上に展開するスマート工場などは、日本でも実施されていますが、ドイツのインダストリ4.0では、デジタル化した工場がネットワークやソフトウェアで繋がり全体が最適化することを目指しています。

これは関連している他社工場がサイバー空間で一体となり、大手企業だけではなくドイツ国内企業の9割を超す中小企業も巻き込み、2025年ごろを目途にインダストリー4.0を達成するロードマップを発表しています。

引用文献;平成27年版科学技術白書

ドイツのインダストリー4.0が実現すれば、まさに産業革命と言えます。
素材・部品・輸送・製造・販売など全てが自社他社関係なしに全てが繋がる製造が実現すれば、1社1社、個別の製造工場が単独で製品を作っている国は過去の製造手法となります。
手工業から機械化への移行と同じくらい革命的であります。
過去の製造手法からインダストリー4.0を見た場合、勝負にならない状態となることでしょう。
まさにアウトレンジです。

世界中に点在するデータ量は、この10年で110倍になりました。
2020年にはさらに35倍増えると予想されております。
これからは、さらに情報が増えることでしょう。

今は『情報大航海時代』とも呼ばれております。
この爆発的に増えた情報から価値を創出したものが、次の時代の主導権を取ることになるでしょう。
未知の海域に進む者が次の主導権を取るかもしれません。
大変革の真っ只中です。

センサー自体はかなり多くの種類があり、情報通信システムや処理プログラムなど、過去と違い安価で高精度なものが多くあります。

建設現場で工事期間のみ使用する仮設プラントにおいても、リアルタイムな製造データや制御技術、打設場との情報連携による効率化と、当たり前のようにデータを連携させております。

弊社partnerの移動式コンクリートプラントトップメーカーの米国セメンテック社とも、数多くのセンサー技術を用い、データーを各社連携させ、各社の製造状況や稼働状況を通信連携させる方向で、新型マシンを開発構想中です。

プラント自体を一社一社保有する段階から、共有し生産における効率化を実現できるように、事前に情報インフラを組み込む事でもすすめております。

米国セメンテック社の欧州市場をターゲットとしたビジョンが開発への行動を加速させております。

センシング化とサイバー化は今後益々重要になってくると考えます。

第一次産業革命は、水力や蒸気機関による生産の機械化
第二次産業革命は、電力を活用した大量生産
第三次産業革命は、PLCやITによる生産の自動化

第一次産業革命以前の工業大国は、インドと中国でした。
(日本は当時、世界5位の工業国)
しかし、機械化による生産革命で、オランダ、イギリス、フランス、ドイツなど次々に工業化して、世界の主導権は一瞬で変わりました。
なぜイギリスで起こったかというと、人件費が高騰し、石炭などのエネルギー価格と機械化による生産の方が安価であったからです。
その点において、今回は日本が主導権を取れるのかは心配なところがあります。

革命とは権力の移行で、今後の主導権が変わる変化点です。

産業革命は、約100年毎に起こっております。

そしていままさに、第4次産業革命が始まりました。

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