『気づき』の種 その1:分解できるコンクリート
業界に変革を与えるようなイノベーションは、ある人の『気づき』によってはじまり、協力者が集まり社会に実現されるものだと思います。 この『気づき』は、下記3要素が必要と考えております。 ①偶発力 : 小さな断片情報を運よく手に入れる力。 ②構造化 : 脳内の小さな断片情報が、一瞬のうちに組み合わさり構造化される。 ③創造性 : 目的と異なるものを見つけてしまう能力。 特に、小さな断片情報を運よく手に入れる力は、様々なものに興味を持つことが重要な要素となります。 興味を持たなければ、外の情報を視覚・聴覚・触覚などの五感フィルターを通り抜けて脳内に情報が入らないからです。 まず、脳内に小さな断片情報を素直に入れることから、イノベーションは生まれると考え、皆様に少しでも『気づき』の種になるような、 小さな断片情報をお伝えできればと考えております。 ~生分解コンクリート~ 公益社団法人日本コンクリート工学会の2016年1月の論文に、生分解樹脂コンクリートの研究内容がありました。(下記アドレス参照) https://www.jstage.jst.go.jp/article/crt/27/0/27_7/_pdf [ポリ(ブチレンサクシネート/アジペート)] 生分解樹脂とは、微生物によって完全に消費され、自然的副産物(水、炭酸ガス、メタンなど)にすることができる樹脂です。 微生物が樹脂を食べ、高分子に結合されているものを低分子に分解して、さらに水や二酸化炭素にまで分解できるものを言います。 通常のコンクリートのイメージは、長期間持つ構造物とするものでなければならないというイメージですので、樹脂コンクリートとは言え、生分解性のコンクリートに使い道があるのか?という疑問を持たれるかもしれません。 しかし、短期間の構造物であります、仮設構造物の視点ではかなり興味が湧いてきます。 仮設構造物とは、建設工事期間中や博覧会など、通常数か月から2年程度の期間だけ構造物とするものです。 建設工事の進捗に合わせて、目的の構造物をつくるために、その時だけ必要な構造物です。もちろんコンクリート仮設構造物も多く構築致します。工事用プラントの基礎も工事終了後壊します。 地中の工事では、工事進捗に合わせて撤去しますが、中には撤去し難いものや、そのまま埋